錬金術師と不肖の弟子 (キャラ文庫) / 作者: 杉原理生 イラスト:yoco
杉原先生の作品を読むのは初めてかと思います。
なんとなくフワフワと可愛らしい作品を書く作家さんのイメージでした。
ディアプラス文庫のイメージかな?
独特のyoco先生の表紙に惹かれてしまい、初めての作家さんには慎重になるのに衝動買いでした(笑)
BLで錬金術師って初めてで新鮮でしたし。
★以下、ネタバレOKな方はどうぞ。
リクトは師匠の錬金術師エレズが療養のため工房を閉めるため、エレズの弟子のアダルバートに弟子にしてもらうように言われ山奥の村を出て王都に出てくるのですが……
序盤のダメっぷりと不肖の弟子というタイトルから「この子、大丈夫?」って思ってしまうんだけど、なんとなく憎めなくて可愛らしいリクト。
食堂のアビーとの会話のなんて微笑ましいこと、めっちゃ可愛い。
内容はすごいんだけど天然なリクト相手だと笑っちゃうんだよぇ。
ここにカナルが加わったらさらに面白いんだろうに……
この三人のキャラが重苦しくなりがちなストーリーを軽く読みやすくしてくれていると思います。
もともとファンタジーって苦手なんだけど、魔法とかなんでもあり的な。
でも、ちゃんとリクトの記憶をなくす症状だったり時折思い出す過去の映像が徐々に繋がって謎が解けていくストーリは面白くて引き込まれました。
Hシーンは少なめです、でも初々しくて可愛いので満足、敬語萌え。
エリオット王子が可哀想でリクトがリンクしていってしまうところは切なかったですが、ラストは明るい方向に向かっていったので読後感も良かったです。
こんな重くなりがちなストーリーを軽くホワホワにしあげるのが杉原先生なのかな?
他の作品も読んでみようっと。
不肖の弟子、ってのはアデルバートとリクトだけじゃなくてエレズとアデルバート、レナートとカナル、アデルバートとエリオット……どこでも当てはまる気がします。もしかしたら大錬金術師とエレズもそうだったかもしれないし。
魅力的な脇役が多いし、続編が出たら嬉しいな、ぜひシリーズ化して欲しいなぁ~
キャラ文庫さん、是非!